配偶者の老齢基礎年金を繰り下げて年金収入を増やそう!
(補足記事1)配偶者の老齢基礎年金を71歳まで繰り下げて増やす
この記事のまとめ
配偶者の老齢基礎年金は71歳まで繰下げると効率的に増やせます。
- 繰下げにより年金は定額で増える
- 年金受給期間は受給開始年齢が高くなるほど短くなる
- 年金総額(年金額×受給期間)は74歳受給開始がピークとなる
- 年金総額の増加は受給開始年齢が高いほど小さくなる
- 投資として考えると受給開始年齢は71歳以下が良い
繰下げにより年金は定額で増える
年金受給を65歳より繰下げると1月当たり0.7%、1年あたり8.4%増額されます。
ただし65歳の受給額が基準なので、1年繰下げの年金増は6.6万円(老齢基礎年金78万円×8.4%)と年齢にかかわらず一定額です。
イメージ図:老齢基礎年金繰下げ効果・当社作成
年金受給期間は受給開始年齢が高いほど短くなる
厚生労働省発行の令和2年簡易生命表(女性)は下記です。
イメージ図:厚労省「令和2年簡易生命表(女)」を基に当社作成
平均的な年金受給期間は平均余命なので、受給開始年齢が高くなるほど年金受給期間は短くなります。
年金総額は74歳受給開始がピークとなる
生涯受け取れる年金総額を年金額×平均余命とすると、下記のようになります。
イメージ図:生涯受け取れる老齢基礎年金総額を基に当社作成
繰下げによる年金増額は定額ですが、受給期間は年齢が高くなるほど短縮されます。
その結果、受給年齢が高くなるほど年金総額の増加は小さくなり、74歳がピークになります。
繰下げを投資として考える
受給繰下げにより受取れなかった年金を投資額と考え、繰下げにより年金総額が増えた分を利益と考えることができます。
例えば、受給年齢を65歳から66歳に繰下げると、受け取れなかった78万円が投資額です。
年金総額は1945万円から2033万円に増えますので88万円が利益になります。
受給開始年齢ごとの投資額と利益を下記に示します。
イメージ図:投資額と利益・当社作成
受給開始年齢が高くなるほど、繰下げにより受取れない年金(1年あたり)が増えるので投資額は増加します。
一方で利益(1年あたり)は低下します。
投資効率(利益÷投資額、年率)と投資回収年齢をグラフ化すると下記のようになります。
イメージ図:投資効率と投資回収年齢・当社作成
投資効率は66歳受給開始が3.2%と最も高く、それ以降徐々に低下します。
受給開始66歳の投資回収年齢は78歳で、それ以降徐々に上昇します。
65歳女性の平均余命は24.91年(89.91歳)ですが、繰下げ年齢を71歳以下にすると88歳までに投資を回収できます。